遺言の書き方 - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
遺言の書き方 - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
遺言の書き方
自筆証書遺言は、その名のとおり、遺言者が自分で筆をとり、遺言の全文・日付を自書し、 署名、捺印をすることによって作成する遺言です。 以下に要点を確認してみましょう。
1.自書
必ず自分で筆をとり、全文を自書(自分の手で筆記すること)しなければならず、 ワープロで作成したり、ビデオなどで録画してすることはできません。 また、フロッピーディスクなどに保存して作成することもできません。
2.署名、捺印
署名は、その人物が特定できるような記載でも構わないと考えられていますが、 無用なトラブルを避けるため必ずフルネームで署名するようにします。 捺印は、実印でなくても構いませんので、印鑑を使用します。拇印などでも認められる可能性はありますが、やはりトラブル回避のため、印鑑を使用すべきです。 なお、捺印の代わりにサインで済ますことは原則としてできませんので注意して下さい。
3.日付
年月日までしっかりと記載して下さい。 その『 日 』までもが特定できるものでなければならないので 『平成13年秋分の日に』などというのは認められる可能性はありますが、 『平成13年7月吉日』といった記載は無効であるとされています。 『年月日』まで特定し、しっかりと記載するようにしましょう。
4.筆記用具等
筆記用具や用紙には特に制限はありませんが、鉛筆はダメです。 変造されたり、文字が消えてしまわないよう、ボールペンなどで書き、 用紙は丈夫なものを使用しましょう。
5.封筒
遺言書を入れる封筒も特に制限はありませんが、外から透けない丈夫なものを選び、 遺言書を入れたら綴じ目に封印をしておきましょう。 なお、自筆証書遺言は執行のため家庭裁判所の検認が必要となりますので、封筒の表か裏に、 「この遺言書を開封する前に、家庭裁判所への検認の申立てが必要である」旨を 記載しておくとよいでしょう。
6.訂正の仕方
訂正の仕方は、改ざん防止のため、厳格に定められています。 まず訂正する個所を二本線で消し、その横に訂正後の文言を記入します。 さらに訂正個所に印鑑を押し、欄外に「~行目、~字削除、~字加入」と記載し、 かつ署名しなければなりません。というわけで、大変めんどくさい手続になっています。 よってトラブルを防ぐためにも、初めからすべてを新しく書き直すのが無難です。
7.家族への言葉を残したい
遺言書に、家族に対する感謝の気持ちを記したりすることは、 遺言者自身の自由ですし、むしろ望ましいことでしょう。そのような記載は、 法的に特に意味がないというだけであって、 それらの記載によって遺言が無効になるといったようなことはもちろんありません。
8.夫婦で一緒に遺言をしたい
夫婦で遺言をするときでも、それぞれ独立した遺言書を作成するようにしましょう。 遺言が共同してなされた場合、その一方の遺言に変更や無効事由があったときに、 もう一方の遺言をどう扱うかといったような複雑な問題が生じることを防ぐため、 原則として、2人以上の者が同一の証書をもって連名で遺言をすることはできないと されています(民法975条)。
●現在の資産(不動産、預貯金、国債、株など)と誰に相続させる(遺贈する)か、遺言執行者を誰に頼むかなどをメモにまとめる。
●不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)や銀行通帳で対象(地番、家屋番号、銀行・支店名、口座番号など)を特定する。
●遺言文例集や遺言+αを参考にして、下書き(原案)を作成する。
●書き上げた下書き(原案)は、一度専門家(弁護士や行政書士等)に確認してもらいましょう。
●お願いする証人二人を決める。知人や相談した行政書士などに依頼しても見つからない場合は、公証役場に相談する。知人や親戚に証人を依頼すると、証人から遺言の内容が漏れる可能性がある。
●近くの公証役場へ電話して公正証書遺言の作成日時を予約する。その際、必要書類を確認する。できれば公証役場に出向いて、確認する。
●公証役場に遺言の内容(原案)と資産の内訳を説明し、遺言公正証書作成手数料の概算を計算してもらう。
●不足している必要書類(印鑑証明、戸籍謄本、固定資産評価証明等)を準備する。
●予約した日時に、公証役場に(証人二人と共に)出向く。遺言者は必要書類と実印、証人二人は免許証などと認印を持参する。
●公証人の前で、遺言の内容(原案)を述べる(メモを渡す)。
●公正証書原本への記載内容を確認し、遺言者と各証人が署名、押印する。
●遺言公正証書の正本と謄本を受け取り、費用を支払う。
●正本、謄本の一方は、推定相続人や遺言執行者、受遺者等に預けておく。
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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