交通事故に遭った場合,請求できる賠償金の算出方法を教えて下さい - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
交通事故に遭った場合,請求できる賠償金の算出方法を教えて下さい - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
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前田: 被害を「損害」という形で金銭的に評価し,加害者に支払いを求めます。
ここでは人身被害についてお話しします。
損害は,治療代,葬儀費用といった支出のほかに,事故に遭って失った収入といった財産的損害があります。
死亡した場合,定年までの収入から,生活費を引いた額が損害となります。
傷害の場合は,けがで休職し得られなくなった収入を損害とします。
後遺症が残って仕事に支障が出た場合は,将来に渡って収入が減ると想定。1等級から14等級に区分され,100%から5%の労働能力が喪失したとして,減った分が損害となります。
被害者の精神的苦痛も慰謝料として請求できます。
前田: 裁判で争った場合にくらべかなり低い額しか払われません。
私が担当した事件の中に,後遺症が残り長期入院した女性がいました。保険会社は賠償金は,残り57万円しか出さないと告げましたが,裁判の結果2300万円の支払いを受けられました。
別の死亡事故では,慰謝料は6000万円と提示でしたが,最終的に9200万円になりました。
前田: 自社基準の金額内で”無制限に払う”という意味です。保険会社の基準は裁判の基準に比べかなり低いです。
保険会社は,被害者の過失部分を主張して更に減額しようとしてきます。
保険会社が「判例があるので,被害者の過失は45%」と説明していた例がありました。実際に,裁判所が認めた過失は30%と低いものでした。後遺症の程度が一番低い14等級と認定された場合でも,保険会社の提示が150万円に対し,裁判では360万円以上の支払いを受けた事例があります。
前田: サラリーマンであれば,年収を基礎収入とします。
オーナーの報酬は,労働対価に加え会社の利益が含まれている場合があります。
判例では利益部分を減額して算定することが多いです。ただ私が担当した事案の中に,裁判所に報酬を100%認めさせた事例があります。
保険会社の言うことを信頼して示談にしてはいけません。弁護士に依頼して裁判までしないと状況は変わらないのです。
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弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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