前夫の借金、払う必要は? - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
前夫の借金、払う必要は? - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
“バツイチ”ですが、現在は夫と二人の子供にも恵まれ、幸せな生活をしています。
ところが、離婚した前の夫が私の名前でサラ金からお金借りていたために、業者から「すぐ返すように」との催告状が届きました。
私は支払わなくてはならないのでしょうか。
(主婦 40歳)
もし前のご主人が無断であなたの名前を使ったのであれば、特殊な場合でない限り、あなたが返済する必要はありません。
元夫婦であったとか、現在夫婦であるとか、親子だといった関係にとらわれ、自分が払わなくてはならないと誤解している方がいます。
保証人になった場合や相続した場合等以外は他人の借金を肩代わりする義務はありません。
あなたが名前を使われることを、(嫌々であっても)了解していた場合は、あなたが支払をしなければならないのが原則です。「迷惑をかけない」と言われていたとしても、弁解にはなりません。
もっとも、このような場合でも、利息制限法という法律によって、要求されている金額より少ない返済額でよいケースが多く、極端な場合にはすでに返済を完了し、払い過ぎになっていること(過払い金)さえあります。
一般にサラ金などは約定の利率が高いことから、これまでの支払った金額をこの法律で定める上限利率で計算し直すと、元本返済分に充当されることが多いからです。
また、時効が完成し、支払をしなくてもよいケースもあります。金融業者からの借り入れは、最後に返済した時から、5年で時効が完成します。ただし、少しでも支払ってしまうと、「時効の完成」を主張できないことも考えられます(「時効利益の放棄」)
このようにサラ金業者との金銭貸借をめぐる問題では、色々な法律知識が必要です。また、交渉相手がこの種の問題に慣れている“金融のプロ”だけに、個人で交渉するのは容易なことではありません。とりあえず、業者に支払いをする前に弁護士に相談することをお勧めします。
このような法律相談を受け付けていますので、ご利用下さい。
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
前田法律事務所
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