パック旅行トラブル|「看板に偽り」 - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
パック旅行トラブル|「看板に偽り」 - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
ゴールデンウイークに、夫と国外旅行に行きました。
国内旅行会社のパック旅行でしたが、前から行きたかった美術館がコースにあり、スイートルームにも泊まれるということで申し込みました。
ところが、結果は惨憺(さんたん)たるもの。到着が遅れ、美術館には寄れず、ダブルブッキング(二重予約)のためスイートルームにも泊まれませんでした。最終日は予定の飛行機に間に合わず、帰国は一日遅れ。
一体この怒りはだれに責任を取ってもらえば良いのでしょうか。
(主婦、32歳)
ご相談の内容をみると、旅行トラブルでお二人が受けた損害をいくらと評価できるのか、主催した業者にすべて責任を問えるのか、などの点が法律的な問題になると思われます。
平成7年に改正された「旅行業法」と「標準旅行業約款」(運輸省の作ったモデルで、多くの旅行業者がほぼそのまま採用しています。)では、旅行で発生するトラブルに関して相当部分は旅行に参加した人を保護する内容になっています。
旅行業者とツアー参加者間の契約にあたる約款によると、パック旅行(「主催旅行」と言います。)の場合、契約内容の変更があれば、旅行者は、旅行業者から、責任があるかないかにかかわらず、所定の補償を受けることができます(約款25条「旅程保証」と言います。)。
具体的には、旅行業者は、旅行代金について、旅行開始日・旅行終了日の変更については3%、入場する観光地・施設や目的地、運送機関の等級など、運送機関の種類・会社名、ホテル等の種類・名称、客室の種類・設備・景観などの変更についてはそれぞれ2%の変更補償金を支払わなければならないとされています(ツァー・タイトルに記載があった事項については5% なお、旅行開始日の前日までに通知がされた場合には、率が半分になります。)。
そして、契約内容の変更ごとにポイントを合算し、最大15%まで補償されることとされています。
ご相談の場合であれば、最低でも旅行代金の9%の返還を受けることができると考えられます。
なお、運輸大臣の指定を受けた業界団体が、苦情の解決にあたっており、トラブルが発生した場合相談するとよいでしょう。(社)日本旅行業協会と(社)全国旅行業協会があります。
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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