民事再生法|医療法人でも適用できる? - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
民事再生法|医療法人でも適用できる? - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
私は、父の跡を継ぎ、病院の院長をしています。付近ではそれなりに著明な病院でしたが、次第に経営面が悪化し、医薬品業者等にも支払を待って貰っており,倒産に近い状態です。最近民事再生法という法律が施行されたということですが、当院の場合も私が院長のままで、再建の為の手続が出来るのでしょうか。
(女医・45歳)
元々の経営者が主導して倒産した企業を再建する法的手続としては、従来、和議手続が利用されていました。しかし、悪用されたり、認可後は裁判所の監督もなく、現実に不履行となるケースが少なくなくなかったことから、かえって、再建出来るはずの企業がこの手続を利用することが困難となっていました。
平成12年4月に施行された民事再生法に定められたた民事再生手続は、企業になお余裕のある段階でも、当初は具体的な再建案(再生計画案)を提示しないままで裁判所に申立てをすることができ、しかも、再建案(「再生計画案」)は、出席した債権者の頭数の2分の1以上の同意のほか、総債権額の2分の1以上の同意があれば決議できることになりました(和議手続の場合は4分の3でした。)。また、所定の場合、担保権の実行を制限をする方策も設けられました。
なお、債権者保護の観点から、手続濫用を避け、再生計画の履行を裁判所の監督下におくための制度も設けられました。
民事再生手続は、会社だけではなく、個人事業者のほか、医療法人等の法人にも配慮して作られており、ご相談の場合にも経営状態の内容いかんによっては、十分利用できるものです。
なお、民事再生法は、営業譲渡に関する規定を設けるなどM&A(企業買収)を容易にする方策も設けており、私見ですが、全体的に見て、再建過程において、金融機関等がイニシアチブを握る要素を持ちにくくなったと思われます。
なお,当事務所で法律相談をご希望の方は,こちらをどうぞ。
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
前田法律事務所
〒060-0061
札幌市中央区南1条西11-1
コンチネンタルビル9階
地下鉄東西線「西11丁目駅」
2番出口徒歩45秒
HBC・北海道放送 北のビジネス
最前線に出演いたしました。