札幌の弁護士なら「前田尚一(まえだしょういち)法律事務所」|過払い、相続、離婚、企業法務、法律相談は札幌弁護士.comへ

整理解雇はお手軽じゃない!まずは理解を深めよ:札幌の弁護士が企業側・経営者側の対応・心構えを相談・アドバイス - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所

(財界さっぽろ2020年09月号

 

業績悪化でよぎる「社員を減らす」選択

 コロナ禍収束の気配もなく、直面する事態への対処と将来を見据えた対応の調整が難しい局面といえるでしょう。このような場面では、つい〝特効薬〟を求め、失敗することも多いのが実際です。

 景気悪化の長期化が濃厚な中、これからは「人余り」そして「人減らし」を前提とする経営方針の転換が大きな流れとなるでしょう。直ちに人減らしのための「整理解雇」に飛びつきたいと思う経営者もいらっしゃるかもしれません。

 裁判では、整理解雇における解雇の有効性は①人員整理をおこなう必要性(人員削減の必要性)②できる限り解雇を回避するための措置が尽くされているか(解雇回避努力)③解雇対象者の選定基準が客観的・合理的であるか(人選の合理性)④労働組合との協議や労働者への説明がおこなわれているか(手続の妥当性)という4つの要素を総合的に判断されています(整理解雇法理)。

その解雇は無効?整理解雇法理の真実

 苦境に陥った経営者は、経営上の理由での余剰人員の削減なのだから、ハードルは低くなるだろうと思い込み、整理解雇法理の要素をつい都合よく捉えがちです。

 しかし、整理解雇は使用者側の事情を理由とし、相当数の労働者を対象として解雇する場合です。個別の労働者についての能力不足や勤務不良といった事情を直接的理由とするものではないため、一般の解雇と比べてより厳しい制約があり、慎重に検討すべきです。裁判では経営者が考えるより厳格に判断され、解雇が無効とされた事例が多いのです。

 整理解雇は〝特効薬〟といった代物ではありません。労働者によって裁判所に持ち込まれた場合、裁判所が経営者に対してその解雇が無効であることを説明するためのチェックリストともいえます。

 例えば、経営の合理化や競争力強化に不可欠でも、それだけでは「人員削減の必要性」は認められません。また、「人選の合理性」についても責任感・協調性の欠如といった抽象的な理由は認められません。また、具体的な理由があっても、あらかじめ会社の都合で具体的に辞めてほしい人と残ってほしい人を特定した上、選定とすることは論外となるでしょう。

 ただ、整理解雇の事案が全て裁判所に持ち込まれるわけではありません。また、持ち込まれた事件が全て判決によって終結するわけでないことも考えると、整理解雇法理の考え方を理解し、実情に合わせて機能的に活用することは十二分に有為なことです。

「労務問題」に王道や〝特効薬〟はありません。まずは「解雇権濫用法理」や「退職勧奨」などの定番の考え方や手法を十分理解した上で、個別具体的に慎重な判断をしていくことが重要です。



前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
30社以上の企業との顧問契約について、代表自身が直接担当し顧問弁護士サービスを提供。



弁護士、法律相談、まずはお気軽にお問合せください。
札幌市,小樽市,岩見沢市,苫小牧市,千歳市,室蘭市,旭川市,函館市,北見市,帯広市,網走市,釧路市, 稚内市,根室市,富良野市,名寄市,留萌市,紋別市, その他の北海道内の市町村,その他の北海道内の市町村,近隣各県



無料法律相談24時間受付中

前田法律事務所

〒060-0061
札幌市中央区南1条西11-1
コンチネンタルビル9階
地下鉄東西線「西11丁目駅」
2番出口徒歩45秒

メルマガ

HBC・北海道放送 北のビジネス
最前線に出演いたしました。

何かがある前に知っておくべき法律相談

タグ

コロナ セクハラ パワハラ 不倫 不動産 事業承継 交通事故 介護 任意整理 休業手当 住民訴訟 信用情報機関 個人再生 倒産 借地借家 借金 借金救済制度 借金返済 債務整理 債務整理と住宅ローン 債権回収 公正証書 内容証明郵便 内縁関係 内部告発 利息制限法 労働組合 労務問題 医療法人 協議離婚 原状回復 名誉棄損 名誉毀損 商標権 団体交渉 土地区画整理 土地相続 売掛金 多重債務 家庭裁判所 家賃滞納 年金分割 引渡し 強制執行 後遺障害 慰謝料 損害賠償 敷金 明渡請求 時効 未払い残業代請求 根保証 死亡事故 民事再生法 法定相続 浮気 特別の寄与 特養老人ホーム 相続 相続人 相続人の範囲 相続放棄 相続法 相続税 知的財産権 社会福祉法人 立ち退き 立退料 自己破産 自筆証書遺言 裁判 裁判離婚 親権 解雇 調停離婚 請求書 財産分与 賃借人 賃貸人 返済 連帯保証 過払い金請求 遺産分割 遺留分 遺言 遺言書 遺言書保管法 配偶者 配偶者居住権 配偶者短期居住権 離婚 離婚協議書 離婚手続き 非嫡出子 面会交渉権 預貯金の払戻し 顧問弁護士 養育費 B型肝炎 C型肝炎
電話フリーダイヤル24時間 相談の流れ 申し込みフォーム