給料が未払いのまま会社が倒産|社長! 給料払って!! - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
給料が未払いのまま会社が倒産|社長! 給料払って!! - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
私は、建設会社に事務員として勤めていました。
ところが、昨年暮れに私の給料が未払いのまま会社が倒産してしまいました。
働いた分の賃金や退職金はもらえるのでしょうか? (元会社員、28歳)
長い不況が続く中、企業の倒産が増え、労働者にとっても厳しい状況になっています。
「倒産」とは、企業が支払不能の事態に陥り、営業の継続が出来なくなった状態を言います。
企業の「破産」という言葉もよく耳にしますが、これは裁判所の手続を経て企業の“お葬式”をすることで、「倒産」の一形態です(なお、「民事再生」、「会社更生」という企業を蘇(よみがえ)らせるための裁判所の手続もあります。)。
しかし、企業の倒産処理がすべて裁判所の手続で行われるわけではありません。裁判所の「法的」手続をしない「事実上の倒産」と呼ばれる形もあります
さて、法律上、賃金はほかの一般債権より優先するとされてますが、賃金を支払うお金さえもないまま倒産する企業も少なくありません。破産などの手続がとられたり、労働者の側で請求手続をしても、会社の資産がそれに見合うだけないために、結局支払ってもらえないケースも多いのです。
そこで、現実的な救済策としては、未払賃金の一部(最高8割)について、政府(労働福祉事業団)が立て替え払いをしてくれる制度があります(未払賃金立替払制度)。
裁判所の手続がなされた場合のほか、中小企業であれば、社長の夜逃げなど「事実上」の倒産のケースでもこの制度を利用できる場合があります。
企業の規模、労働者数などいくつかのハードル(要件)もありますが、決して“泣き寝入り”せずに、なりふり構わず、最寄りの労働基準監督署に駆け込んで相談してください。
退職金については、就業規則などに退職金の支払規定があるかどうか、運用はどうだったかによりますが、もらえる場合は、この立て替え払いの対象になります。
なお、賃金は2年、退職金は5年で時効消滅してしまうことも覚えておいて下さい。
「泣き寝入りする」、「長いものに巻かれる」といった必要はまったくありませんが、強く権利を主張すると逆に問題を大きくしてしまう場合もあります。
未払賃金立替払制度の概要と実績(厚生労働省HP)
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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