札幌弁護士.com 前田尚一法律事務所がお届けする『知っ得法律情報』-vol.72-
飲食店経営で客(暴力団員)に言いがかりをつけられました。
パスタの店を夫と経営しています。先日、男性のお客さんが、料理にハエが入っていたと、クレイムをつけてきました。その男性は「俺は暴力団員だ。相応のことをしてくれなくてはただで済まさない」と言うのです。 いくらかお金を支払ってもいいと考えています。その場合、示談書を取り交わすなどの方法は有効でしょうか。
(レストラン経営 48歳)
出典:毎日新聞 平成11年7月30日朝刊
『La Femme~ラ・ファム~』連載
まず、もともと言いがかりであるのに、お金を支払って解決すること自体、大変な間違いと言わなければなりません。
トラブルに直面すると、つい「わずかなお金であれば・・・・・・」と安易に考える方が後を絶ちません。こちらが解決したつもりでも、それが付き合いの始まりになってしまい、思いも寄らない大きなトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
暴力団対策法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
さて、平成4年3月「暴力団対策法」(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)が施行されたことで、大きな成果を収めています。
もっとも、個人が暴力団員にどのように対応したら良いのかというと、相手が相手だけに、有効な答えはありません。むしろ、自分だけでは対応できない、と考えておいた方がよいでしょう。
暴対法施行に伴い、暴力追放のための組織も全国的に整備されました。道内では、財団法人北海道暴力追放センターが設立され、調査研究・広報啓発活動のほか、暴力相談や被害者救済活動も行っています。
個人の力は弱いものです。普段から「恐れない」、「金を出さない」、「利用しない」(暴力団追放3ない運動)という心構えを持つことは当然としても、現実にトラブルが発生した場合には、それ以上暴力団員とやりとりをすることを避け、すぐに同センターのように頼りになる機関に相談するのが根本的な解決につながると思います。
何事も自分だけで解決しようとせず、専門家と相談してみること、助けを求めることも大事なことです。
なお、同センターでは賛助会員制度もあり、わずかな年会費で、定期的に、暴力団情報の提供を受けたり、講習会で指導を受けることもできます。特に、相談者の方のように事業をされている方には入会をお勧めします。
関連情報
◎暴力団ミニ講座 http://www.web-sanin.co.jp/gov/boutsui/mini00.htm
弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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