削除請求対応に関する事例(5ちゃんねる、Yahoo!ブログ等) - 札幌弁護士|前田尚一法律事務所

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削除請求対応に関する事例(5ちゃんねる、Yahoo!ブログ等)

投稿者に対する損害賠償として323万9500円が認められた事例

 インターネットにおける「誹謗中傷・風評被害・炎上」トラブルへの法的対処というと,投稿・書き込みによる侵害状況を除去するために,まずは,投稿などの「削除請求」,そのための発信者情報の「開示請求」が思い浮かびますが,事後的な金銭的救済方法としては,民法709条による不法行為に基づく損害賠償請求が考えられます。

 賠償を求める「損害」は,法律上,財産的損害と非財産的損害に区別されます。

 投稿などによって失った企業としての儲けなどは,「逸失利益」と呼ばれる損害の一例となり,財産的損害の一種ということになりますが,インターネットにおけるトラブルの場合,裁判所での訴訟手続の中で,その主張立証をするのはなかなか難しく,精神的損害ともいわれる非財産的損害,つまり「慰謝料」を請求するのが主流のようです。

 「慰謝料」は,被害者が被った精神的苦痛を金銭でうめるものということができます。ただ,そうは言っても,精神的苦痛の金額は,当のご本人が思っているよりずっと低いものです。実際に裁判で認められる慰謝料の上限で100万円前後のようです。

 もっとも,「慰謝料」を求めて訴訟を起こすことには,もっと重要な意味があると

 なお,この点も含めて,誤った不祥事報道がされた場合の「訴訟闘争」での苦労話はこちら(クリックしてください)をご覧ください。

 

 ここでは,投稿・書き込みにについての損害賠償請求の事案として,損害額323万9500円を認容した事例(東京地判令和3年6月10日・裁判所HP(クリックしてください) および全文(クリックしてください)を紹介することにいたします。

 

第1 はじめに:認容された損害額が323万9500円

 

  冒頭で,実際に裁判で認められる慰謝料の上限で100万円前後と述べましたが,それなのになぜ認容された損害額が323万9500円となったのか。それは,本件が,次のとおり,名誉毀損による損害に加え脅迫行為による損害などが認められたからです。

 (1)脅迫行為による損害 慰謝料として100万円

 (2)名誉毀損による損害 慰謝料として100万円

 (3)発信者情報の取得に要した費用相当額 94万5000円

 (4)弁護士費用相当額 29万4500円

 

第2 事案と争点

 本件は,作家である原告が,被告に対し,被告がインターネットに開設された電子掲示板「5ちゃんねる」又はブログサービス「Yahoo!ブログ」を利用して開設したブログ「ベランダでラベンダー」に,原告を脅迫し又はその名誉を毀損する内容の記事を投稿したとして,不法行為に基づく損害賠償請求として,448万円及び遅延損害金の支払を求めた事案です。

 

 被告は,こちら投稿記事目録(クリックしてください)の各記事を投稿しました。

 (1)電子掲示板「5ちゃんねる」への投稿

    投稿記事目録①記載の投稿記事1及び2

 (2)ブログ「ベランダでラベンダー」への投稿

   ア 投稿記事目録②記載の投稿記事1ないし4

   イ 投稿記事目録③記載の投稿記事1及び2

 どんな記事が,脅迫や名誉毀損を争う法廷闘争の対象となるのか,ぜひご確認ください。

 

 これらの記事の投稿について,審理過程においては,次の点が争われました。

 (1)目録①の投稿記事1及び2が原告に対する害悪の告知として違法であるか否か。

 (2)目録②の投稿記事1ないし4について違法性阻却事由があるか。

 (3)目録③の投稿記事1及び2が原告に対する害悪の告知として違法であるか否か。

 (4)原告の損害

   ア 脅迫行為による損害

   イ 名誉毀損による損害

   ウ 発信者情報の取得に要した費用

   エ 弁護士費用

 

 これらの争点に対する原告と被告の主張は,こちら主張整理表(クリックしてください)をご確認ください。

 弁護士が,脅迫や名誉毀損などについて,とのような法廷闘争をするのかを体感できると思います。

 

第3 当裁判所の判断

 1 目録①の投稿記事1及び2について

 投稿者に対し,投稿された記事により脅迫されたとして,不法行為に基づき,慰謝料の支払を請求する場合,投稿記事の記載が害悪の告知として違法と認められることを主張立証しなければなりません。

必要があります。

 裁判所は,被告が本件スレッドにこれらの記事を投稿したことは違法であり,原告に対する不法行為を構成するというべきであると判断しました。

 被告の,脅迫するつもりでこれらの記事を投稿したのではないなどとの主張は,被告の主観的な事情であって,客観的に見て殺傷する行為に及ぶ意思を示す記事であるから,これらの記事の違法性に直接影響するものではないとして,斥けられました。

 

 2 目録②の投稿記事1ないし4について

 投稿者に対し,投稿された記事により名誉を毀損されたとして,不法行為に基づき,慰謝料の支払を請求する場合,投稿記事の記載が名誉毀損の事実を摘示するものと認められ,その内容が,原告について一定の印象を与えるものであって,原告の社会的評価を低下させる記事であることを主張立証しなければなりません。

必要があります。

 このことを認めた裁判所は,被告がこの記事を投稿したことは違法であり,原告に対する不法行為を構成するというべきであると判断しました。

 

 3 目録③の投稿記事1及び2について

 (1)投稿記事1について,裁判所は,被告が,その内心において原告に対する脅迫と受け取られる可能性を認識しつつ,原告に向けてこの記事を投稿したとしても,文面から見て,客観的に原告に対する加害行為の実行又はその予告の趣旨を表示したものとは認められず,この記事が原告との関係で違法であることを認めるに足りる主張立証はないとして,原告の請求を斥けました。

 (2)投稿記事2について,裁判所は,被告が本件ブログにこの記事を投稿したことは違法であり,原告に対する不法行為を構成するというべきであると判断しました。

 被告の原告に対する加害行為を実行するつもりはなかったとの主張は,被告の主観的な事情であって,この違法性に直接影響するものではないとして斥けました。

  4 原告の損害について

 (1)脅迫行為による損害について

 裁判所は,投稿が違法であると認めた記事は,原告の生命,身体に対する加害行為の意思等を表示するものであるなどとして,慰謝料として100万円を相当と認めました。

 (2)名誉毀損による損害について

 裁判所は,投稿が違法であると認めた記事は,作家であり,その作品の創作性によって社会的評価を受けると考えられる原告の社会的評価に相当程度影響を与えかねないなどとして,慰謝料として100万円を相当と認めました。

 (3) 発信者情報の取得に要した費用について

 裁判所は,被告が,発信者情報の取得の手続を原告訴訟代理人弁護士に委任し,その着手金及び報酬として消費税相当額を含めて108万円の支払義務を負ったところ,投稿が違法であると認めた記事の分の費用相当額の損害として,94万5000円の限度で相当と認めました。

 (4) 本件訴訟の弁護士費用相当額

  裁判所は,弁護士費用として,相当と認めました。(1)ないし(3)の合計額の29万4500円の1割にあたる額です。

 

風評被害対策を弁護士に相談する必要性

 インターネット上の誹謗中傷は、会社に落ち度がなくても、世間の誤解に基づく投稿がなされ、その情報が瞬時に広まってしまうことは起こり得ます。そのため、インターネット上のトラブルが発生してしまった際には、迅速に対応するのが重要になります。
 前田尚一法律事務所は、風評被害や誹謗中傷対策に関する相談について、単に削除請求をするだけでなく、御社のご予算や潜在的なニーズを包括した解決策のご提案を心掛けています。当事務所にご相談いただければ、投稿内容に応じて適切な方法をアドバイスし、風評被害問題の解決への道筋を示します。ひとりで悩まずに、まずはお気軽に弁護士までえご相談ください。

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