ちょっと待った!新規事業を始める前に|札幌弁護士.com - 札幌の弁護士|前田尚一法律事務所
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法律相談|ほっかいどうデータベース|財界札幌 2012年6月取材(前田尚一・執筆・対談)掲載記事より
本業と違う分野に飛び込む場合、慎重でなければなりません。信頼できる人だと思っていたのに権利金を支払ったら、そのまま行方不明になったとか、規模を拡大している企業だから安心だと、そのフランチャイズに加盟したら、実情は資金を集めるために自転車操業で火の車。結局、倒産してしまったという事件もよく起きています。
初めから騙すつもりであれば、詐欺罪が成立することもあります。しかし、騙す意思は心の内面の問題です。
立証がなかなか難しい。捜査機関もなかなか動いてくれません。仮に詐欺罪が成立したとしても、せいぜい刑務所に入るくらいです。捕まっても資産がなければ、返済を受けることができません。
中国の例をご紹介しましょう。女性企業家が販売会社を設立。高い配当を宣伝文句に日本円で約100億円を集めました。
金は宝石や高級自動車の購入、借金の返済に消えました。
女性経営者は逮捕され、中国の裁判所は詐欺罪で死刑判決を言い渡したのです。ところが中国国内では、「借金をして失敗したら死刑というのであれば、安心して事業をすることができない」との批判が高まり、最高裁で死刑が覆りました。
詐欺罪は死刑という中国ですらこの判例です。これが日本を含め世界のスタンダードです。
詐欺かどうか考える前に、これから事業を始めるというのであれば、初めから成功するかどうかをきちんと検討して決めることです。
本業がダメで困っていると、目の前のもうけ話に飛びつきやすい。目が曇るどころか、裏付けがないのに「ウマくいくに決まっている」と思い込んでしまう。ハイリターンの裏にはハイリスクがあるのです。
世の中には、成功を嗅ぎつける類い希な勘を持った人もいます。99%の人はその能力はありません。
それを補う専門家の意見を聴く中で進めなければ、物事が上手に進むはずがありません。分野毎に専門家は違いますが、例えば倒産事件や詐欺事件、消費者事件などの具体的事案は把握しています。
それと類似するかどうかなどについて、法律的観点からのアドバイスは可能です。当事務所では、このような相談も取り扱っていますので、ぜひご相談ください。
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弁護士 前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、弁護士として30年を超える経験、実績を積んできました。
交通事故、離婚、相続、債務整理・過払い金請求といった個人の法律問題に加え、労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書ほか企業法務全般も取り扱っています。
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