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立退料の確保・増額;非のない賃借人・店子の立ち退き相談 - 札幌弁護士|前田尚一法律事務所

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立退料の確保・増額;非のない賃借人・店子の立ち退き相談


 不動産賃貸借についての「立ち退き」紛争というと、地代・家賃の滞納問題も思い浮かびます。
 が、ここでは、全く異なった視点と立ち位置で解決しなければならない場面として、賃料の滞納など約束違反(債務不履行)と言われるような事情がないのに、土地・建物を賃借して店舗、オフィス、工場、倉庫、駐車場などを確保して営業、事業を営んでいる場合に、「立ち退き」を求められたという場面について説明をいたします。
 なお、「立ち退き」というと、最近では、令和3年5月施行された改正・災害対策基本法で、「立ち退き避難」という用語が用いられていますが、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保を目的とする災害対策基本法での用語で、法律的には、別の場面での用語です。

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建物の「老朽化」

 賃貸人が、賃借人に立ち退きを求めるような場合の理由の定番、建物の「老朽化」です。このような場面では、借地借家法という法律で処理されることになります。

 建物賃貸借契約(借家)の場合ですと、建物の賃貸人は、契約を終了させるために一定の更新拒絶の通知や解約申入れをすることが認められていますが、その場合、正当事由を具備することが必要であるとされています。
 このことを借地借家法は、通知や解約申入れは、「建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人にたいして財産上の給付を有する旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」(28条)と定めています(借地の場合も同様の規定があります。6条)。

 ところで、賃貸建物が滅失・朽廃してしまうと、賃貸人は賃貸建物の貸したくとも物理的に貸しようがなくなってしまいますので(法律用語では、「履行不能」と言います。)、この賃貸借契約は、当然に終了します。

 借地借家法の規定(28条)には、「正当の事由」の判断要素として、「建物の利用状況及び建物の現況」が定められています。
 賃貸建物の老朽化が進み朽廃時期が迫っていれば、滅失・朽廃による終了時期に近づいているということですので、賃貸人のために、正当事由として考慮すべき事情であるということができます。

 しかし、一般論としてはそうであっても、正当事由は諸事情の比較衡量によって決せられ、考慮される事情は、極めて多岐にわたるもので、賃貸人側からすると、ストレートに正当事由が認められるということは、現実離れしていると思えるほどに厳しいというのが実情なのです。

立退料の提供

 もっとも、この借地借家法の規定(28条)には、「建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人にたいして財産上の給付を有する旨の申出をした場合におけるその申出を考慮」と定められており、立退料等の提供により、「正当の事由」の補完がされることが認められています。要するに、老朽化の不足をお金で補うことができる、ということです。

 しかし、そうではあっても、実際、30億円程度では立退料としては十分なものとはいえないとした裁判例もあるほどです(東京地方裁判所平成2年4月25日判決。もっとも、バブルの時期の事例で、東京のど真ん中、銀座1丁目の土地で、借地権の価額が85億円と評価された事案ですので、そもそもが雲の上のお話のようではありますが。)。

 そうすると逆に、賃借人側としては、「立ち退き」紛争が起きれば、自分に有利であると即断しがちです。
しかし、賃借人側の有利な側面は、折り合いがつかなければ、多くの場合、立ち退き要求に応じることなく、そのまま居座ってもよいという点であり、賃貸人側が立ち退き要求を断念するということになれば、賃借人としては、営業がよろしくなく、業務が赤字であり、そろそろやめたいと思っていても、逆に、賃料を支払い続けなければならないことになってしまいかねないということも起こり得るのです。

しかも、訴訟となれば、具体的事実関係に基づいて判断されるといっても、事実関係が争われると証拠のぶつけ合いとなりますし、何よりも、ここの担当裁判官の価値観を反映した基準で判断されることになるので、判決による場合、極端な場合、賃貸人、賃借人双方にとって意に反する結果となることもあり得ます。

 大枠で「立ち退き」紛争といってみても、それぞれの事案は様々であり、常にどちらがか有利というわけではありません。立退を求められた賃借人側であれば、店舗などでの経営状況を踏まえ、建物所有者の背景を探りながら、対応することが不可欠です。実践と経験に裏付けられた知恵の勝負が始まります。

紛争の実情

 賃貸人・家主側の弁護士から、賃借人・店子に対し、まずは次のような記載のある書面が送られてきます。

 「現在、本件建物は、築年数が49年を超え、老朽化が著しく、建物の安全性にすら疑義のある状態となっております。依頼者と致しましては、貴殿が長期間にわたって本件建物を利用してきたことは承知しておりますが、本件建物の状態に鑑みると、本件建物を貴殿に賃貸し続けることは、貴殿の生命・身体に危険を生じさせかねず、もはや、本件賃貸借契約を継続することは困難である思料致します。…」。
 
 賃貸人側の弁護士の書面で、「賃借人の生命・身体に危険」であるとか、そのための修理の非現実性といった点ばかりを挙げてくるのは、よくあることです。しかし、「老朽化」がテーマとされている場合の多くは、賃貸人側としては、土地が有効に利用されておらず、収益が極めて低いという認識を持ち、土地の高度有効利用を意図した再開発目的を有するとか、高額での土地転売を目論んでいるといった事情が背景にあるのがしばしばです。
 平成元年に弁護士となり、平成3年頃までのバブル時代の熾烈な「立ち退き」紛争を体験した私としては、まずは定型どおり反論をした上、3で述べた体制に入り、賃貸人側、賃借人側の事情を確認、想定し、賃貸人側が実現しようとしている利益を、どのように公平・正当に取り込んでいけるかを考えながら、具体的な対処をしていくことになります。

解決事例その1:賃借人(店子側)側で立退料を大幅増額させた事例

 建物老朽化を理由に立退きを求められ、当初の立退料90万円程度の提示を受けたが、交渉の結果、1700万円に大幅増額させることができた案件をご紹介いたします。

 複数の販売店が営業する構造の市場(いちば)・ストアー店舗建物(昭和44年築)で、店舗部分を借入れて食品販売業を営んでいた事業主(女性・83歳)が、建物所有者から、主として建物の老朽化を理由に明渡を求められたという事案です。
 建物所有者は、立退料として、当初90万円強を提示しました。賃料の1年分という言い分です。

 裁判前の段階では、背景事情も含めた事実関係の確認・把握と、それを基にしてする交渉の適切さがものをいいます。いくら借地借家法に詳しくとも、単純に法律をかざすだけでは、決して有利に展開してはいきません(実は、訴訟が提起された後では、証拠の内容とか、裁判官の説得という側面の比重が高くなってきますが、私の経験上は、カナメは同様でと思います。)。

 当方は、店舗経営者側の経営状況を踏まえて、建物所有者の背景を探りながら、1年2か月間闘い抜き、立退料として1700万円に増額させることができました。

 ところで、昭和21年建築の建物で昭和30年代半場ころから高級婦人下着の小売業を営んでいた賃借人に、建物の所有者である賃貸人が、建物朽廃を理由に建物明渡しを求めた事案で、裁判所が立退料を4000万円とした事例があります(東京高等裁判所平成10年9月30日判決)。しかし、この事例は、建物は、都心の一等地麻布十番のメインストリートに面するもの。賃料は1か月26万円強、借家権価格としては2675万円程度、賃借人側が約4000万円の費用を要する補修内装工事を施工したという事情があるといった事案です。
事情の違いからすれば、ご紹介いたした取扱事案は、遜色がないものと思われます。
 なお、同時に依頼を受けたもう一つの店舗経営者についても、当初30万円強の立退料の提示でしたが、200万円に増額させることができました。
 いずれにしても、店舗経営者側の経営状況を踏まえながら、建物所有者の背景を探りながら、対応すると、このお二人のように、立退料の大幅な増額を実現できる場合があるのです。

解決事例その2:賃貸人(家主側)で立退料を大幅減額した事例

 せっかくですので、当事務所の顧問先の事例ですが、逆の立場で、所有するビルの店子に対し、ビルの老朽化を理由に明渡を求めたところ、立退料として、当初要求された額が2000万円であったが、交渉の結果、1000万円まで減額できた事例もご紹介いたします。

 グループ会社で所有・管理している札幌市内のビルについてのご相談でした。
 老朽化が激しく、雨漏り、給水管の破裂などの被害が発生し、入居者へ安全な所への転居を依頼。しかし、入居者とは、立退き料、営業権等の問題で折り合いがつかず、困っていらっしゃいました。
 私のそれまでの実践と経験を踏まえ、転々とする場面毎に、状況分析と打合せをしながらアドバイスを繰り返したところ、立退料を1000万円まで減額して解決することができました。

 

お客さまの声

 以上ご紹介いたした各事案についてのお客さまの声をご紹介いたします。

〇女性・83歳[建物明渡(賃借人・店子側)・立退料の大幅増額(1600万円余り)]

[解決事例その1]複数の販売店が営業する構造の市場・ストアー店舗建物で食品販売業を営んでいたところ、老朽化を理由に明渡を求められ、当初立退料として提示された額が90万円余りであったが、交渉の結果、1700万円に増額させた事例

前田尚一先生へ
お手紙読ませてもらいました。
昨年4月から今年5月まで1年2ヶ月になりました。
私はなにも出来ず、ただ先生にお願いして来ました。
私は学歴もない83歳の人間です。
ほんとうに先生のおかげで解決した事、喜んで居ます。
先生もくれぐれ体に気を付けて下さい。
事務所の皆さまにも宜しくお伝え下さい。
私もこれからがんばって行きたいと思います。
ほんとうにありがとうございました。

〇不動産管理会社・代表取締役・男性(51歳)[会社法務・顧問業務、建物明渡(賃貸人・家主側)・立退料の大幅減額(1000万円)]

[解決事例その2]所有するビルで老朽化を理由に明渡を求めたところ、立退料として、当初要求された額が2000万円であったが、交渉の結果、1000万円に減額できた事例

 前田先生にお世話になったのは、当社グループ会社で所有・管理しておりました、札幌市中央区南×条西×丁目所在の◎◎◎ビルの入居者とのトラブルが原因でした。
 当時◎◎◎ビルは、老朽化が激しく、雨漏り、給水管の破裂などの被害で、入居者の方に迷惑をかけたりしたので、安全な所への転居をお願いしていました。しかし、入居者とは、立退き料、営業権等の問題で折り合いがつかず、困っておりましたところ、前田先生に相談すると、的確なアドバイス、助言、ひいては相手方の心理状態なども考慮していただき、衣料店舗との立退き料が当初2000万円要求されたのが、1000万円という当方の依頼どおり、満足する形で問題が解決いたしました。
 また、このビルを解体して、駐車場の貸していた時に、駐車場の土地賃貸借期間が残っているのに、土地買主の要求により、早急に土地を明け渡さなければならず、その時も、明け渡し金額の値段交渉についても、的確なアドバイスをいただき、スムーズに問題が解決できたのも、前田先生に感謝致したいと思います。
 これからも、世の中のあらゆる問題解決の為に頑張って下さい。前田法律事務所の益々のご発展を祈念申し上げます。

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